StageⅢ-1
◎シンボル機能がはっきりと認められる段階
(物に名前があることがはっきりと理解できる段階)
名詞理解に加え用途の理解もできてきている段階です。ただし大小や長短といった比較は難しく、理解面では柔軟性や応用が利かない面が見られます。対人面でやや興味があるものの一方的なことが多いです。
言語面では、言われたことをそのまま言い返したり、独り言のようにしゃべることがあります。会話は成立しにくい部分もありますが、日常生活での場に応じた声かけには良く応じられるようになります。理解できていないことも経験で結びつけることもあります。
遊びではパターン化した物が多いですが、一度経験した遊びを自分で再現して遊んだり、多様性には欠けますが、ごっこ遊び・見立て遊びも見られます。簡単な絵やパターン的な絵(絵描き歌など)が描けるようになります。
情緒的に安定してきますが、物事の順番等へのこだわりが見られることがあります。日常的に特に問題行動がない子どもでも、課題や言語での指示が理解できないときには、指示された言葉を同じように言い返したり、目線があわなくなる、質問に関係ないことを言うことがあります。
いろいろな面で関わりが難しくなることが多いですが、子どもにあわせた関わりができた時には、発達面での伸びが期待できると思います。
通常の2歳半前後の発達段階になります。
StageⅢ-1
・言葉により色や形を認識して、言葉で言うことが出来る
「赤い△・青い○」等、二つの概念を理解し、言葉で言うことが出来る。
(StageⅡと違い、理解できるだけでなく言葉で表現できるようになる。)
動作語の理解ができる
(食べる・書く・走る・投げる・読む・乗る・着替える等々)
・言葉の世界を豊かにする
言葉の数を増やす
(食べ物・動物・身の回りの物・身体部位・人の名称・乗り物等々)
簡単な文章で表現する
「これは何をしているところですか?」の質問に対して、「○○していると
ころ」と、言葉で答えられるようにしていく。
・いろいろな物と物とを比べたり、関係ある物同士をくっつける
身近な物を分類して分けたり、同じ仲間同士で集めることができる。
(動物の仲間・乗り物の仲間・食べる物で分けることができる)
(書く物・座る物・かぶる物等使い方によって分けることができる)
(台所にある物・風呂にある物・公園にある物)
(お父さんの物・お母さんの物・自分の物)
大きい・小さい 多い・少ない 早い・遅い等、比較することができる。
・頭の中で想像したことを絵や制作で表現できる
(果物や電車など身近な物を見本を見て描く)
(絵描き歌で絵を描く)
(紙工作や折り紙、粘土等の制作で作った物を身近な物に見立てて楽
しめる 例:作った物を電車やロボットに見立てることが出来る)
(みんなと紙芝居や絵本を楽しむ)
・コミュニケーション能力を高める
簡単な2語文を使う(○○ください・○○して欲しい)
「○○していい?」と大人に許可を求める
一般社会で役立つ言葉の獲得
(「分かりません」「教えてください」「やめてください」「できました」等)
あいさつ言葉を促す
(「おはよう」「こんばんわ」「いってきます」「ただいま」等)
・対人関係への意欲を育てる
小集団の活動(5~10人程度)へ参加する
全体への声かけで行動できる。
(はじめのあいさつやイスの片付け等いつも繰り返す活動は全体の声
かけで動くことができるようにする)
簡単なゲーム活動の中で順番を待ったり交代することを身につける
この段階では難しいことも多いが、勝ち負けや得点、順位等の意識を
できるようにする
ゲームを通して友達と協力したり一緒に楽しめるようにしていく。
その他に・・
身辺の自立
生活習慣は、大人の声かけでなく、自分で意識してできるようにする。
家事の手伝いをする
(食事の配膳や後かたづけ、洗濯物を干す・たたむ、カーテンを閉める)
家庭以外の場面での社会的常識を身につける
スーパーでの買い物をする
(レジに並ぶ→お金を払う→品物を受け取って袋にいれる)
人前で着替えない(人の前で裸にならない)
食事のマナーを意識する
(騒がない・こぼさない・人の物は食べてはいけない等)
公共の場所や交通機関等でのマナーを身につける
(順番を待つ・切符を買う・バスや電車内では静かにする等)