StageⅠ
◎シンボル機能がまだ認められない段階
(物に名前があることが分からない段階)
通常の0歳~1歳半程度の発達段階になります。まだ言葉の獲得はなく、体全体の感覚や動きの感じで周りの世界を捉えています。
年齢が低い時は、ぴょんぴょん跳ねる・物をひらひらさせる・物を並べる・ 自分の気が向いた事には素早いが、声かけに反応せず人を無視しているように見えることもあります。
行動面では、耳をふさぐ、物を斜めからえぐって見る・臭いを気にする・理由もなく泣いたり笑ったりすることがあります。
支援の積み重ねにより、何かしらの要求手段の獲得・日常の限定された場面(簡単な設定活動や食事等)での適切な行動が取れるようになる事・身近な大人との関わりに慣れ、関わりを楽しめる等が今後の発達において重要なポイントとなります。
人への要求手段の手段や能力によってStageⅠ-1・Ⅰ-2・Ⅰ-3の三つの段階に分かれます。
StageⅠ-1 子どもの様子を見ながら大人が本人の要求を察すること
が多い
StageⅠ-2 要求では、大人の手を引くこと(クレーン現象)ができる。
おもちゃや、物を正しく使えそうな芽生え反応があるかどう
かで、今後の獲得出来ることに違いがでてくる。
StageⅠ-3 手を引く事の他に身振りやジャスチャー、声を出す、単語
等・・いくつかの手段を使う事ができる。
StageⅠ-1で大切なこと
・物を目で追う
転がるボールや走るミニカー、くるくるチャイム等を目で追う
・音がする方向を見る
楽器やおもちゃの音、光るおもちゃで遊ぶ、親の声に反応する等
・皮膚刺激に慣れる
こちょこちょ、ざらざら、すべすべ、べとべと等
※子どもによって嫌いな感覚もあるので好きな物を勧めること
・物を吹く
笛・ハーモニカ・シャボン玉等、色々な息の吹き方を知る。
・手を使う
ガラガラをふる・物をつかむ・ちぎる・ひもを引っ張る・いたずらボック
スで遊ぶ等
・体を動かす事を楽しむ
シーツブランコやトランポリン・セラピーボールで揺れる等、いろいろ
な姿勢や体勢・身体的介助を受け入れることができる
大きな遊具で体を動かす
・おもちゃや周りの物に興味がもてるようになる
興味がもてるおもちゃや物を増やし、いろいろなことに対しての認識
や、好きな物に名前があることに気がつけるようにしていく
StageⅠ-2で大切なこと
・目と手の協応(手元を見ながら課題をする)
ひも通し・積み木を重ねる・型はめ・スプーンでビーズをすくう
箱の中に物を入れる、出す(プットイン・アウト)、ペンでなぐり描く
・体を動かす事を楽しむ(Ⅰ-1と共通)
・物に名前がある事に気づいていけるようにする
同じ色や形を合わせていく(マッチング等)・形や色で分類する課題を
通して物に対しての認識や興味を高め物の名前を伝えていく
絵本を見ながら一緒にいろいろな物の名前を言ってあげる
・大人の動きを真似する(動作模倣)
向かい合った大人の真似をして、手を挙げたり広げたりできる
グーやパー等の指の動きを真似する
簡単な手遊びを楽しむ
・目的を達成するために道具を使う、回り道をする
手の届かないところにある物を、棒やイス等の道具を使って取る。邪
魔な物をよけて迂回し、欲しい物がある所まで行く。
・簡単な指さしを身につける
大人の指さしの方を見たり、意識する
欲しい物を指さす事ができる
・物やおもちゃの正しい使い方を覚える
手に持ったおもちゃ物を、持っているだけ、くるくる回す、カンカン叩く・
口にもっていくとかではなくでなく・・・ 「これは○○するものだよ・・」と
正しい使い方を子どもに教えていく
車のおもちゃ=「走らせて遊ぼうね!」
ラッパ、太鼓=「吹いて遊ぼうね!」 「叩こうね!」
StageⅠ-3で大切なこと
・目と手の協応(Ⅰ-2と共通)
・大人の動きを真似する(Ⅰ-2と共通)
・簡単な指さしを身につける(Ⅰ-2と共通)
・名詞の指示で物を取る (リンゴとってきて!自動車ちょうだい!等)
「○○ちょうだい」の声かけに応じて、指示された実物や絵カードを複
数の選択肢(2~6個程度)の中から取ることができる。
・名詞の指示で物を指さす (猫はどこかな?コップはどれ?)
2~6個の絵が描いてあるシートや絵本のページを見せ、その中から
「○○はどれ?」の質問に応じて指さしで指す事ができる。
・日常よく使う言葉がわかる
あいさつ・禁止・制止の声かけに応じる(おはよう!待って!ダメよ!)
「○○してもいいよ」という大人の声かけに気がつく
名前を呼ばれたら手を挙げる、声をあげる、振り向くことができる
日常の言葉等(「ご飯よ~」「寝るよ~」)に応じて動く
StageⅠ共通のねらい
・体をしっかり動かし、体全体の感覚発達を促し、体力をつける
・音楽のリズムに合わせて身体を動かす。
音楽に合わせて走ったり止まったりする
・身近な人(家族や担任の先生)との関わりを楽しむ
身近な人とスキンシップや触れあい遊びをすることで、楽しい関係を作
っていきます。
人と関わると楽しい!→もっと遊んで欲しい!もう一回したい!
(要求したい気持ち)→お願いしたら、またやってもらえる!
こういった流れの中で、人は楽しいことをしてくれる存在として意識し、
要求をすることの大切さが身に付きます。きわめて重要なことです。
・食事やトイレ等、基本的な生活習慣を身につける
食事やトイレ等は毎日の生活の中で同じ手順によって行い、日々の繰
り返しの活動で身につけていけるようにしていく。
(朝起きたら→顔を洗う→パジャマを脱ぐ→今日の服を着る等)
・簡単な指さしを身につける
・身体介助に応じる、介助に求められる行動を取る事ができる。